大戦からの復興を支えた、香ばしい牛たん焼き。麦めし、スープ、漬物にも店の個性が光る
第二次世界大戦の仙台空襲によって、焼け野原となった仙台市中心部。その一角で、戦火とはあきらかに異なる、希望の炎が熾されました。
『旨味 太助』の初代親方・佐野啓四郎さんが、それまで提供していた豚ホルモンの焼きとりに代わるオリジナルメニューを作りだそう、と注目した食材。それが、牛たん。
味付けや厚みなどに試行錯誤しながら、牛たんと同じルートで手に入るテールでスープをつくり、「懐に優しい価格でお腹いっぱいになってほしい」と麦めしを盛り、
日本人なら生野菜よりも漬物、と旬の漬物を添えました。
そうして確立した牛たん焼きと漬物、テールスープ、麦めしのスタンダード・スタイル。
誕生から半世紀以上を経た今では、それぞれの個性をそのスタンダードに込めたたくさんの店が仙台のまちを彩っています。