芭蕉が見た「本物のみちのく」の魅力解説本を出版し、地域観光の活性化へ繋げたい!
郷土の名所・旧跡を芭蕉の視点で伝えるガイド体験を通して調査研究成果20余年分を一冊の本にまとめた『奥州仙台領のおくの細道』を出版。 郷土に誇りを持つ“粋な伊達の語り部”の育成と、不易流行の地域の宝を活用して、心豊かな観光地の活性化へと取り組んでいくプロジェクトです。
郷土の名所・旧跡を芭蕉の視点で伝えるガイド体験を通して調査研究成果20余年分を一冊の本にまとめた『奥州仙台領のおくの細道』を出版。 郷土に誇りを持つ“粋な伊達の語り部”の育成と、不易流行の地域の宝を活用して、心豊かな観光地の活性化へと取り組んでいくプロジェクトです。
411,500円
目標金額:1,000,000円
39人
終了
このプロジェクトは 終了しました
このプロジェクトは、2022年01月11日に募集を開始し、2022年02月27日 23:59に終了しました。
2024年05月22日
5月11日(土)午前10時より塩竈公民館にて令和6年度定期総会と記念講演会が開催されました。
京野英一代表挨拶、
櫻井勝三座長より議長に浅沼栄二、書記に加藤昭子を選出。
議題
第1号議案―令和5年度の事業報告(京野代表)
第2号議案―令和5年度の会計報告(桜井)並びに監査報告(渋谷)承認の件
―全て承認されました。―
第3号議案―令和6年度の事業計画(案)、承認の件(京野代表)
第4号議案―令和6年度の会計予算(案)、承認の件(桜井)
―全て承認されました。―
その他については特になし。
以上で令和6年度定期総会は終了しました。
続いて渡辺誠一郎氏による記念講演が行われました。
演題は『おくの細道』と塩竈
渡辺氏は「俳句を作っている立場から見ると、芭蕉の何かがわかるのではないか。表現をする俳句を作るのも楽しい。子供に俳句教室をしている。」
・芭蕉の紀行文は作為に充ちて特異性がある。知的な好奇心、情報を伝えるものがなく、当時の紀行文としては特異で、文学作品と
して見ないと誤る。
・能因法師、西行など先人や歌人の作り上げた幻想を踏まえて芭蕉は「奥の細道」を書いている。風景は日本一である。
・都人は当時のみちのく東国とは、野蛮な人が住んでいるという世界観でみている。
・道の果てに来て、塩竈神社に来たら現実に感動し、「かかる道の果て、塵土の境まで神霊あらたにましますこそ吾国の風俗なれと
いと貴けれ」と書く。
・塩竈は特別のところ、魚屋の声を聞くという、民衆の声を載せているのは「奥の細道」でここのところだけである。
・和歌の文化に則って塩竈に来ている。塩竈を幻想で読んでいるが、みちのくの文化をほめているのではない。
・今は、「松島は日本三景」と言わずに『松島は扶桑第一の好風にして云々』と芭蕉は日本一と言っている。松島町の入り口と出口
に『松島は扶桑第一で日本一(芭蕉)』と大きく書いて、松島は日本三景の一つというものではなく「日本一」であるとすべき。
・歌枕とは、イメージによる言葉の幻想。フィクションの中で生まれたもの。
・テキストP30~31「むかしよりよみ置る歌枕多く語り伝うと言えども・・・泪も落るばかり也」古人の言葉は永遠性がある。
*ドナルドキーン著『百代の過客』よりの抜粋を参考資料として配付。
―この言葉の中で、芭蕉は、山河の永遠性を否定している。また永久に生い代わる木々に現れた永続性にも、 疑問をさしはさんでいる。「国破レテ山河在り」の言を、彼は疑ったのである。
多賀城もなくそれを取り巻いていた風光も、昔の姿を全く留めていないのに、「壺の碑」は、今も見ることが出来る。同じように、そこに描写された景色はすべて、見る影もなく変貌したというのに、世に日本語の読める人間が存在するかぎり、「奥の細道」は残るであろう。―
言葉は残る。しかし、話題になっている核廃棄物を扱うのに「危険物表示」の言葉も10万年後に伝わるかわからない。そう言う社会に我々が存在しているという事実を認識する必要がある。
・テキストP31「それより野田の玉川・沖の石を訪ぬ。~塩がまの浦に入逢のかねを聞」ここはフィクションの上手さ、鐘の音を聞く、風景を見る、という演出効果がすごい。
最後に、昭和21年から42年まで塩竈市長だった桜井辰治氏が、40年に自費で制作した「おくのほそ道の常磐津」塩竈編の浄瑠璃のテープを聞いた。
*講師 渡辺誠一郎氏の略歴
1950年塩竈生まれ。俳人佐藤鬼房に師事。「小熊座」前編集長。句集『余白の轍』、『数えてむらさきに』、『渡辺誠一郎俳句集」他多数。朝日新聞「みちのく俳壇」選者。現代俳句協会員。宮城県現代俳句協会長。仙台文学館運営協議会長。塩竈市杉村惇美術館館長。
講演会終了後は、渡辺先生を囲んで、塩釜港の美味しいお寿司の昼食会で楽しいひと時を過ごしました。
次回は6月1日(土)午前10時から塩釜公民館で開催予定。