蒲焼割烹 大観楼
かばやきかっぽう たいかんろう
かばやきかっぽう たいかんろう
かつて仙台には、愛宕山の守り本尊を信仰する丑・寅・辰・巳年生まれの人は鰻を食べず蛇を獲らない、という風習があった。しかし文政5年(1822年)、遠藤忠造という男が、その禁を破って鰻屋を開業する。これが『大観楼』の始まりだった。忠造は罰せられ謹慎を余儀なくされるが、身柄を預けられていた家老宅の息女が暑さに臥せっているのを見かね、お叱りを覚悟で鰻の蒲焼を料理して食べさせる。すると日増しに快方に向い、全快したという。この話が11代藩主伊達斎義(なりよし)公に伝わると公は感服し、忠造を解き放ったうえ、城下における鰻業の元締めに任命したという。地下180mの井戸で活き活きと泳ぐうなぎは、料理によって産地を使い分けている。関東風の割き、蒸しによってふっくらと柔らかく、秘伝のタレで香ばしく。「うな重」、「鰻まぶし」、「鰻すし」などメニューは多彩だ。